英語習得の道は長い。しかし、音読活動がその道を少しでも明るく、楽しくするカギを握っているかもしれません。この記事は、英語学習者の皆さんに、音読活動の効果を最大限に引き出すための具体的な方法や注意点をお届けします。

音読の方法については、筆者自身、各種の語学スクールでの経験や、Webや書籍での情報収集を通じ、さまざまなアプローチに出会い、その多様性に驚き、若干うんざりしています。そこでこの記事を執筆し、自身の頭の整理をしつつ、英語学習者に音読活動の可能性を広げる手助けをしたいと考えました。
効果的な音読活動を行うことで、4技能における言語知識の自動化はもちろん、文構造や単語などの意味内容を理解しながら進められれば、長文の読解力も大きくアップします。また音読活動は、英語が苦手な生徒でも取り組みやすく、テスト対策としても効果を発揮します。

記事の内容は、Google検索で「英語 音読 方法」と検索し、2023年4月時点で上位のPDF記事からピックアップした情報をもとにしています。特に当サイトの課題意識と合致する内容を中心に紹介していきます。

要旨

音読活動には多様な形態があるので、指導者が学習者に合せて計画・調整するのが望ましい。
やり方によってはマイナス面もあるので注意が必要。

音読活動は、英語学習者にとって大変有益な方法です。適切に行うことで、読解力、リスニング力、スピーキング力など、幅広い英語力の向上が期待できます。

しかし、音読活動は正しく行わなければ効果が薄れるばかりか、時には学習者の英語力にマイナスの影響を及ぼすこともあります。そのため、この記事では、効果的な音読活動の方法や注意点を具体的に紹介し、学習者が最大限の成果を得られるようサポートします。

音読活動がもたらす効果

音読活動が英語学習にどのような効果をもたらすのか、さまざまな視点からのまとめが示されています。ここではそのごく一部を紹介します。

各種観点からのまとめ(*1)

① 認知心理学観点

音読活動は、文字の視覚認識から音韻変換、さらに音声で表出するプロセスを通じて、音韻的ワーキングメモリの強化に役立ちます。

② スキル獲得理論の観点

音読活動は、言語知識の手続き化や自動化を促進し、スキルの習得に繋がります。

③ 第二言語習得研究の観点

情報処理の「理解」から「統合」までの過程と関連しており、特に「内在化」や「統合」といった重要な第二言語認知プロセスを促進する活動となります。

*1 江原 一浩(2020). 音読活動の再考察. 筑波学院大学紀要第15集,pp149-160

効果が及ぶ技能(*2)

音読活動は、4技能(リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング)のいずれにも効果があります。

英文が表す意味を認識しつつ、聞き手にメッセージを伝えるように、文字を音声化して発信することで、リーディング力とリスニング力が向上します。さらに、音読を通じて言語知識が強化され、文法や語彙力が増えることで、スピーキング力やライティング力も向上します。

*2 飯野 厚(2003). 「英語が苦手な生徒こそ音読を!」. 『英語教育』September 2003 Vol.52
No.6,pp.24-25 大修館書店

言語知識の自動化、4技能に効果ありと、いいことずくめですね。チャレンジしない手はありません。

音読のマイナス面と注意点

音読活動は英語学習において効果的な方法の一つですが、いくつかのマイナス面と注意点があります。音読などの効果に関する研究(*3)の中で原典を示しながらまとめられたものがありました。それを参考に、解説を加えました。

マイナス面

● 発音に注意がいき、理解が悪くなったり速度が遅くなったりすることも

音読では発音に焦点が当たりがちで、その結果、理解が犠牲になる可能性もあります。黙読に比べると当然読む速度も遅くなります。

● 発音の化石化

発音が間違った状態で定着し、修正が難しくなることがあります。初期段階から正しい発音を身につけることが重要です。

● 内容理解を伴わないeye-mouth reading

英文を見て発音することにのみ注意が行くと、文章の意味を理解せずに読むeye-mouth readingに陥ることがあります。意味を理解しながら音読することが大切です。

マイナスを避けるための注意点・工夫と現状

音読指導を核にした4技能統合型指導を長年実践、研究されてきた先生が、達成・未達成事項をまとめられた論文(*4)から、未達成の項目を抜粋し記載内容を元に解説を加えました。太線化は筆者。

1 音読からアウトプット活動への道筋意味を伴った更なる道筋の確立

→ ある程度まで確立したが更なる工夫が必要。内容理解とアウトプット活動のバランスも考察要。

2 自主的に音読する学習者の育成

→ 音読指導では自宅での学習が必須だが、それを促進する手法の開発要。

3 発音を改善するための指導の工夫

→ 音読は発話の韻律(感情・文脈に応じたリズム、強勢、イントネーションなど)改善に有効だが、
→ 「個々の発音指導においては、音読とは別に更なる指導を行う必要がある。
→ 音声が化石化した学習者への指導法の研究要。

4 内容理解の方法の確立

→ ラウンド制をベースにした方法だが完成には至っていない。
→ グラフィック・オーガナイザーの使用法、英文の構造分析の必要性の有無などの検討要。
→ 「文構造を記号付けや色付けを利用することで内容理解をうながし、その状態で音読をする可能性も考えたい。

5 音読指導法の流布

→ まだ不十分な面もあり効果的な方法を考えたい。

*4 安木 真一(2019). 音読中心の英語指導法を振り返るー達成できたこととできなかったことー. 『中国地区英語教育学会研究紀要』No.49,pp97-106

内容理解や意味を考えながら行うことについては、上記の(*1)には次の記載があります。

  • 必ず意味を考えながら音読させる。文字の音声化だけに注意を奪われて、意味の把握に神経が回らない読み方を排除する。(略)文字と意味は表裏一体で切り離せないものだと認識させ、文の持つメッセージを音声で伝えるという意識を常に持たせる(略)eye-mind-mouth readingやmeaningful readingへと転化させたい。」

また、音読チェックリストを掲載している記事(*5)もあります。全10項目の中に次のような項目があります:

  • テキストは音読にふさわしい内容のものか
  • テキストは音読モデルが十分に提示され、意味理解も終わった既習のもの
  • コミュニケーション活動への橋渡しとなる「流れ」を作っているか
  • 「確認と修正」のフェイズは含まれているか

*5 竹内 理(2018). 再考「音読活動」. 『TEN(Teaching English Now) 』Fall 2018 Vol.40.pp1-5 三省堂
https://tb.sanseido-publ.co.jp/wp-sanseido/wp-content/uploads/2019/08/ten_40.pdf

以上をまとめると、音読活動における主要な注意点は次の通りです:

1. 英文の意味を理解して行うこと
2. 発音に注意して行うこと(指導を受けるなど)
3. アウトプット活動へつなげること

そして実際の音読活動でそれら注意点をどうカバーするかは、完全に確立された具体的方法はなく、学習者などに応じ工夫しながら行っていく必要がある、という状況のようです。

以降で音読活動の具体的なやり方についてみていきます。

多様な音読活動

音読活動にはさまざまなバリエーションがあり、その数は26種類とも38種類とも言われています。(*5)
このリンクをたどっていただくと、その多様な状況がつかめると思います。
↓ ↓ ↓
各種音読指導法へのリンク

これらの音読法を組み合わせて使用することで、学習者の状況・ニーズなどに応じた効果的な音読活動が可能になります。

音読活動の一例

ここでは(*1)で紹介されている、高校のコミュニケーション英語の授業展開例の中での音読活動を見ていきます。(抜粋)

音読活動には、基本から発展まで、音声重視から文字重視まで多様な形態があることがご理解いただけると思います。指導者が段階的に統合的に綿密に計画することが求められるゆえんです。

  • 1~2 [略]
  • 3 教師の肉声による範読(Model Reading)
  • 4 新出単語の発音練習
  • 5 内容理解のための黙読
  • 6 本文内容の説明
  • 7 音読(Reading Aloud with Comprehension)
    • ① 斉読:指導者のモデルに続いて一斉に読む
    • ② 自由読み:学習者が自分のペースで音読する(Buzz Reading)
    • ③~④ [略]
    • ⑤ サイト・トランスレーション:文の一部を英語や日本語にしながら音読する(Sight Translation Reading)
    • ⑥ 同時読み(重ね読み):テキストを見ながら、モデルの読みに重ねるように読む(Synchronized Reading(Overlapping))
    • ⑦ シャドーイング:テキストを見ないで、モデルの読みに重ねるように読む(Shadowing)
  • 8 本文の要約(Summary Writing)
  • 9 再話(Story Retelling)
    • ① 個人練習/② ペア練習/③ 発表/④ 質疑応答など/⑤ 指導者からのコメント

7の音読も2種類あり、音声に重きを置いた練習が⑥オーバラッピングと⑦シャドーイングで、文字に重きを置いた練習が⑤サイト・トランスレーションなどです。同じ英文でも活動の形態と負荷を変えることで、集中力を維持したり、定着を図ることができる、とのことです。

音読活動の一例:当サイトの英語習得プログラム

これまで広く情報を検索した結果を用いて、一般的な音読活動を紹介してきましたが、実は当サイトにも秘密兵器があります。そう、私たちの英語習得プログラムです。恐らく読者の皆様も「なるほどね、結局そこに行き着くのか」と思われることでしょう。筆者も自らの罠に嵌ったような気分ですが、この機会にぜひご紹介させてください。

以下が当サイトの英語習得プログラムで行っている標準的な音読方法です。
↓ ↓ ↓
当サイトの標準的な音読方法へのリンク

当サイトのプログラムの秘密を明らかにしましょう。このプログラムの最大の魅力は、音読活動が陥りがちな落とし穴(注意点)をカバーし、むしろそれらをいい方向へ強化している点です。

内容理解の重視(視覚的にサポート)

「英文見える化チャート」を活用することで、英文を追いかけるだけで視覚的に文構造がわかり、かつ近傍に配置された日本語に目をやりながら読むことができます。これにより、文字と意味の一体的理解を助けます。文構造や単語理解に間違いがないかも確認できます。
また論理的思考力の醸成にも寄与します。

発音指導の充実

毎日の個別のフィードバックなどを通じて、発音の改善に注力しています。発音の化石化の余地がありません。個別フィードバックだけでなく、文字起こしアプリを活用して、認識された喜びをモチベーションに、認識されない残念さを発奮材料に変える工夫がされています。さらに、海外の発音専門サイトの動画などを使い、口の形作りの理解から、様々な人が実際のプレゼンで使っている場面を見てもらうことで、よりリアルな英語発音の習得が可能になっています。

最大3人でのアウトプット活動

レッスンでは前週の音読成果の発表や会話練習などのアウトプット活動を行い、運用力を向上させます。最大3人なので指導者と1対1の時間が充分とれます。
同時にレッスンでは新たな英文に対して、①:音(発音や、リズム・強勢・イントネーションなど)と、②意味(単語、文構造など)を「英文見える化チャート」を活用し、効率的に確認します。

毎日の音読活動・毎日のフィードバック

英語はとにかく積み重ねです。文法や単語・フレーズの理解を土台に、それら言語知識を自動化すべく、コツコツと続ける必要があります。音読を繰り返し、録音音声へのフィードバックを得る、紙ベースの問題演習か書取りを行いその画像に対するフィードバックを得る、こうした活動をほぼ毎日ですが少しずつなので、無理なく続けられます。毎週の少人数レッスンもオンラインなので通学などの負担もゼロです。

このような特徴を持つ当サイトの英語習得プログラムは、発音の改善、英文読解力、運用力の向上に興味がある方、継続的な学習方法を探している方に特におすすめです。興味を持たれた方は、ぜひお問い合わせいただき、お試しください。音読活動を最適な方法で活用し、英語力を新たなレベルへと引き上げましょう。

当サイトの英語習得プログラム見てみてください

まとめ

音読活動は、英語指導者が学習者に合わせて計画・調整することで、さらに効果を発揮します。この記事を通じて、音読活動が英語学習にもたらす魅力を発見し、皆さんの学習が次のレベルに進むことを願っています。